NY便り52011-06-03

ニューヨーク近代美術館は、ドイツ表現派の企画展が開催中。
黒を基調にした油性木版画や、あたかも木版の様にインクがどっさりと擦り付けられたようなリトグラフが、大量に展示されていて、独特の「濃さ」が溢れている。
あまりドイツ表現派の作家としては意識していなかった、エゴン・シーレの心の奥がザラッとするようなドライポイントの作品と艶かしい水彩画に息を奪われる。
ドライポイントは、たぶん銅版を使わずに、亜鉛板か?もしかしたら鉄板を使っているんじゃないだろうか???
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/1103


版画の展示室では、" Impressions from South Africa, 1965 to Now "を開催中。
こちらも、濃い〜感じの油性木版画がたくさん並んでいる。
大好きなウィリアム・ケントリッジの大作の油性木版画もど〜んと展示されている。
こうやってみてくると、木版、特に油性木版の持つパワーってすごいんだなあと気づかされる。
会場にあるいくつもの油性木版画が南アの首都ヨハネスブルグにある版画工房で刷られている。
以前にもここの版画工房の活動は注目していたのだが、いよいよおのおのの作品の完成度が高まって来ている様に思う。
仕事ぶりが、とても丁寧で洗練されており、自分の思っていたアフリカの作品作りがおおいに間違っていたのだなあとあらためて気づかされる。
世界には、まだまだ至る所に、きっちりとした版画の制作を通してその存在の確かさを証明するような版画工房が息づいているのだなあと深く思わせられる。
気を取り直して、また頑張ろっと。
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/1154

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